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ごめんね。 [恋の話]

昨日の夜、わたしの出向を彼に伝えるために電話をして、
彼は「おめでとう」ってよろこんでくれて、
いままでの話をたくさんした。
彼の転勤のとき、本当はずっと前から知ってたってことや、
いろんなことをカミングアウトして、
彼も、あのときは言えなかったんだけどって
カミングアウトしてくれたことがあった。
あれはもう1年半も前のことだね、なんて盛り上がった。

どうしてか、彼は最近自分のことをよく話す。
よく電話がきていた。(先月は出れないときも多かったけれど・・・)
ひどく酔っ払っていたり、ひどく甘えていたり、
そんなときもあった。
どうしたんだろう?とは思っていたけれど、
こっちを向いてくれていると思って、うれしかったし、
電話やメールをしているときは、
わたしばっかりが、彼にもたれかかるような話をしていた。
忙しいとか、会いたいとか、そういうこと。
彼は、自分のことは何も言わないで、そうだねとか、頑張れとか、無理するなよって
言ってくれていた。
わたしが気づかなかっただけかもしれない。
本当はSOSが出ていたんだね。

彼のお父さんが、もう今月いっぱいもつか・・・という状態だって
昨日の電話の最後に聞いた。

連休はなにしてる?と言ったら、わからないと言うので、
なんで?と普通に言ったら、
少しの間があって、「実は、親父がやばいんだよね」と言った。
そのときは、ただびっくりして、
「そうなの!?」と言った。
「そうなの!?」とか「そっか」とか、そういうことしか言えなかった。
「病気だったの?」とか、「急に?」とか、「まだ若いよね?」とか、
なんて言っていいのかわからなくて、出てきた言葉をそのまま口にした。
詳しいことは聞いてないけど、「急に」だったみたい。
彼の地元は遠いけれど、お父さんの病院は比較的近くにあって、
いまは、毎日定時で一回会社を抜けて、病院に行って、
また会社に戻って仕事をしているらしい。
だから毎日会いには行ってるって言う。

「そういうことだから、いつどんな連絡がくるかわからない」と。
「わたしなんていいから、連休は行かないと。」と言ったけれど、
「でも毎日行ってるから。どうなるかわかんないけど、連絡して。」と言うので、
「毎日行ってても、休みだったら長く居られるでしょ。1日中でも。」と言ったら、
「もうしゃべれないよ。」と言った。
すごく、悲しい声をしていた。
「これから忙しくなる。葬式のことも考えなきゃならないし、いろいろ。」
その言葉を聞いて、「だいじょうぶなの?」と言った。(大丈夫なわけないのに)
「なんていうか、整理はついてるの?」って。
彼は、

そういう時期はもう越えたと思う。
整理はついているというか、つけた。
これが現実だってことを受け止めた。
そういうもんだって受け入れた。

そんなことを言っていた。
「お母さんは大丈夫?」という問いには、
母親も同じだと思う。
現実を受け入れたんだよ。
そんなことを言っていた。

彼には妹が2人居て、2人とも、もう結婚していて、近くに住んでる。
妹の1人は、わたしと同じ生年月日。
「わたしと同じ歳だったよね」と言う話になったとき、
「myacoは昔、それ知って落ち込んでたよね。」って笑ってた。
彼はたまに、「俺は早死にする」とか、「長く生きたくない」とか言うことがあったけど、
昨日は、いろいろ考えたって言っていた。
生とか、死とか、意味とか、いろんなこと。

最後に、わたしに、「(両親と)離れて暮らしてて、年に何回会う?」と聞いた。
「1回か、多くて2回。」
そう答えたら、彼は、
「親とだっていろんな付き合い方があると思うから、細かいことはいいとして、
1年に1回だった場合、親がいくつまで生きられるかと考えると、
あと何回会えるかってことになるんだよね。
そういう数え方したことなんてなかったけど、
例えば10年だとしたら、あと10回しか会えないんだよ。」
そう言った。
彼は、盆も正月も実家へ帰るタイプじゃなかった。
彼が両親とどういう付き合い方をしてきたのか、わたしは知らないけど、
きっと後悔してるんだと思った。
そして、その言葉が、わたしにはズシンと響いた。
怖くなった。
彼はその怖さを真正面から浴びてるんだ。

先月、わたしが激務で何も見えなかったとき、
彼は助けを求めていたのかもしれない。
思わず、「どうしてもっと早く言ってくれなかったの」と言いそうになった自分が
恥ずかしくなった。
どうして電話に出られなかったのか、どうして、彼の‘何か’に気づけなかったのか。
どうして、そのとき、よっかかれる木にさえなれなかったのか。
すごく悔しくて、苦しい。
自分がすごく憎い。
でも、それは自己弁護。
わたしが、彼のことを考えて泣いたり、
わたしが、「つらい」と思うなんて、ただの自己満足なんだ。
彼の気持ちなんて、わからないのに。
わかったふりしかできないのに。
なのに、苦しくて胸がつまるのは、どうしてだろう。

この間、久しぶりに会ったとき、めずらしくわたしを家まで送ってくれた。
あまり離れたがらなかった。不思議に思った。
わたしの家の近くには、彼が子どもの頃住んでいた団地があって、
その前を通ったとき、「懐かしいな」と言いながら、
そのころの話をしていた。
こんなこと話すの珍しいなって思ったのは、わたしが何も知らなかったから。

わたしじゃ支えになんてなれないかもしれないけど、
どんなにもたれかかっても倒れない木にはなれるよ。
体はあなたより小さいけど、抱きしめることもできるよ。
わたしは、あなたがどんなふうになっても、受け止める。
あなたが例えそれを望んでいなくても、わたしは離れない。
だから、がまんしないでね。

でも、しっかりね。
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anego

>でも、しっかりね。
すっごい、愛感じた。
myacoさんはほんとにいい女だと思います。


by anego (2008-07-19 00:12) 

sat

そっか、myacoさんが頑張っている間、彼もお父さんやご家族と頑張っていたんですね…。
気付いて、支えて欲しかったのかもしれない。
だけど彼も、myacoさんが頑張っているのを知っていたから、ストレートには言わずにいたんでしょうね。
彼は強いね。

これから支えてあげればいいんじゃないかなぁ。
もう彼も気を遣う部分もなく、myacoさんを頼りに、心の調子を整えられるんじゃないかと思います。

頑張りすぎず、彼と一緒にいてあげるっていうような気持ちでね(^-^)
by sat (2008-07-19 09:10) 

モモ

彼も大変だったんですね。。。

彼の、両親と何回会ってる?っていうところの話、すごくわかります。

私はいつか母が先に死ぬってことはずっと頭にあって、悲しくて。。。だから出来るだけ一緒に暮らしてたいって思ってます。

やっぱり離れて暮らすと会う機会が減るし。まさに、年に1回だったら10年で10回。


年に2、3回でも、トータルしたらたったの何回って思うくらいの回数だと思います。

私は今実家ですが、出来れば離れて暮らしたくありません。

妹とも、母とも、一緒に居れる時間は、悲しいけど限られています。

特に、母は、私より先に。そう思うとツライけど、だから、一緒に居たいって思います。

昔から、母が「いつ死ぬかわからんし」って口癖のように言ってたからか、死について、昔からよく考えてしまいます。

生と死は、ついてまわることですが、やっぱり親ともなると本当に考えるだけでつらいし、私はその後生きていけるのかって思うくらいです。

彼も、今はつらいでしょうね。。。myacoさん支えてあげてください。。。

by モモ (2008-07-19 23:02) 

陽子

彼は、お父様がこうなって初めて
myacoさんのことを今まで以上に真剣に
考えたのではないかしら。

「今交際している女性なんだ」
と紹介できたら、
お父様も少しは安心されるのではないかと。
お葬式にも参列できるかもしれないし。

一人暮らしになるお母様のことや
父なき後、長男=跡取りとして
こなしていかねばならない親戚付き合いのことなど
いろいろと大変でしょう。
myacoさんの存在がすごく頼りになると思います。

by 陽子 (2008-07-19 23:57) 

myaco

>anegoさん
いえいえいえいえ・・・
でも、 愛しいと思いました。彼を。
by myaco (2008-08-13 15:37) 

myaco

>satさん
先日は(だいぶ前になってしまったけれど)
突然だったのに、ありがとうございました!
とっても救われました。
あまり連絡はしなかったけれど、
彼はきちんとやったようです。
公開しているところも多いみたいですが・・・。

by myaco (2008-08-13 15:40) 

myaco

>モモさん
わたしもその言葉、ほんとうに引っかかっていて
夏休みはずっと実家にいました。
できるだけ、両親と一緒にいようと。
今回のことで、両親ももう若くないし、
大事にしようと心から思いました。

by myaco (2008-08-13 15:46) 

myaco

>陽子さん
長男として、いろいろとあったようですが
なんとかすべてスムーズに運んだようです。
お父様にお会いすることはありませんでしたが、
彼と私は一歩近づいたかもしれないな、と思います。
彼のほうも落ち着いたようで、
そっけなくて自己中な
普通の彼に戻ってきました。笑
by myaco (2008-08-13 15:49) 

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